インバータアーク溶接機 MWA−200 ケーブル改装

 2025年6月9日 by ごきち

 

◆序章

 2017年9月 

 念願だった(笑) 交流40Aアーク溶接機を購入した。

 

 SUZUKID ホームアークナビプラス SKH−41NP(50Hz)

 

 低圧用の Φ1.6mm 溶接棒 を 2kg 程使って練習すれども隅肉溶接は無理だった。

 40A で、しかも低圧では隅肉はパワー不足だったんだ。

 

 作品を作るにはもっとパワーが欲しい。

 そこで 2024年9月 インバータ溶接機を購入した。

   

 直流溶接機になって。

 そこそこ隅肉溶接が出来るようになったものの。

 スタートと連続ビードは先のナビプラスの方が何故か安定していたりする。

 

 アーク溶接はアースが肝心!

 アースクランプ、ホルダー、ケーブル、と順に改装したのでここに記録する。

 

◇アースクランプとホルダー交換

 100V機の低圧溶接は、少しでも二次側の抵抗を減らさねば。

 2024年11月に安定したアークが出せるようにとアースクリップを交換、更に絶縁が一部剥がれていたホルダーも交換した。

  

 

 アースクリップ SUZUKID SEC-300 <2,073円> ホルダー TRUSCO TEH-300 <2,389円>

 

 しかし、交換しても大きな変化はなく、アークの出方にあまり差は無かった。

 

 まぁ、しいて言えばホルダが溶接棒の掴みが良くなった程度だった。

 

◇溶接ケーブル改装 1

 アースクランプとホルダーの交換作業中気付いたことがあった。

 

 カッターナイフで簡単にケーブルが切断が出来る(笑

 

 元のケーブルには銅めっきのアルミ線が使われていて より線径が約 Φ3.8mm

 ≒ 約 10mm だった。

 

 ケーブル長も 1.5m と、微妙に短いのも不満要素。

 延長して抵抗が増えるのは困る。しかし、あと 0.5m 長いと取り回しが良くなりそう。

 

 既にアースクランプとホルダーで 4千円超も出費している。

 まともに 22mm2 WCT ケーブルを買って溶接機の値段を超えるのも悔しい。

 

 たまたま DIY ショップをうろついていて。

 良さ気な車用のブースターケーブルを発見。

 

 日本ボデーパーツ工業 BP-G204 (3,980円)

 これを 2.0m ずつ流用して二次側ケーブルに換装してみた。

 

 

 折角なのでコネクタも調達すべく、元のケーブルに付いていたコネクタを調べた。

   

 Φ8.9 mm DKJ10-25 で調べるとヒット!

 

 早々に Amazon で手配した。

 

 DKJ10-25 赤黒 2個セット (999円)

 

<製作>

 まずはブースターケーブルを切断する。

 端面を綺麗に切断する為にカッターナイフで転がしながら切断してみた。

 

 なぜか?すんなりカッターナイフの刃が入って綺麗に切断できた。

 

 ・・・これも銅メッキのアルミ線だった(泣

 

 心線の太さを測ってみる。

 

 断面の直径が約 Φ5.7mm

 隙間があるので、まぁ 22 〜 24 SQ 相当てところかな。

 

 ケーブル長を 2.0 m に延長して。

 断面積で2倍、距離で1.33倍

 抵抗に換算すると 0.6 倍だ。

 

 アークの飛びやすさと持続力に期待して改装した。

 

 アークの飛び具合は如何に!?

 

 D10 の鉄筋を適当に切って井桁を作ってみる。

   

 目盛は12時から1時位

 

 めっちゃスムーズにしっかり溶接

 

 ケーブルでこんなに違うんだ!

 

 拡大図

   

   

 

 素晴らしい!

 アークの飛びも良い!簡単にビードも繋がる!

 

 お向かい様の薔薇アーチを鉄筋で作るのに十分過ぎる溶接機と技術を手に入れた。

 

◇溶接ケーブル改装2

 ここで自分の悪い癖が発症する。

 

 「抵抗が0.6倍になってこんなに使い易い溶接機になったんだ。更に WCT 22mm にすればもっと使い易くなるんじゃないか!」

 

 と思うといても立っても居られない。

 早々に モノタロウ で WCT 22mm を 4m 注文する。

   

 富士電線株式会社 4m 5,168円(税込)

 

 カッターナイフで切断する

   

 

 かなり回転させて。

 

 

 銅製だ。カッターの刃が欠けた

 

 黄色部分が WCT を切断した時に付いた銅色のテカリ。

 緑色部分は標準のケーブルと、ブースターケーブルを切断した時に付いたアルミのテカリ。

 WCTを切断した所だけ刃が欠けている。

 

 アースクランプとホルダーを移植する

 

 

 溶接機とのコネクタは、元々ついていた物を使う

 

 

 10mm 程被覆を剥き、3分の銅管を被せる。

   

 

 万力で固定してしっかりねじ止め

   

 

 溶接機側のコネクタ完成

 

 

 ホルダーとアースクランプ側の配線処理

   

 

 3分の冷媒配管を適当に切断してねじ止め

   

 ホルダーのグリップはネジを引き上げて止めるタイプ。

 マイクのキャノンコネクタのオス部分の固定みたい。

 迂闊に締め込むとグリップがパックリ割れそう。

 

 完成!

 

 

◇試しに溶接

 折角なので、15°切断で 30° ずつずらして鍋敷きを作ってみた。

   

 

 

 溶接機のツマミは全て11時位にセット。

 

 

 角度はしっかり出たが、寸法の精度がいまいちだった。

 

 

 適当に足も溶接して、ゴム足を付けて完成!

 

 すき焼き、土鍋用の鍋敷きが完成!

 

 そこそこ使える溶接機に仕上がった。

 

◆あとがき

 ○お向かい様から依頼されている薔薇アーチを鉄筋溶接で作成できる溶接機の準備できた。

 ○ジャンパーケーブルの流用品(アルミ線)からWCTケーブルに交換した成果はあまり感じられなかった。

 ○アルミ線がかなり軽い。更にWCTケーブルはよじれ方向対して固く、取り回しが悪いと言う結果になった。

 ○しばらく出張が続く。帰宅後の週末が待ち遠しい。早く薔薇アーチの設計に取り掛からなければ。

 

 

 

おわり