VS−840EX SDメモリ改装

                              2010年1月5日 by ごきち

◆序章

 2010年正月。

 今年の年始休暇は長い。1月11日までお休み。

 しかし年末の大掃除で腰を痛めているので遠出ができない。

 1月3日

 腰の調子もほど良くなり、車で買い物に出かける。

 立ち寄ったPCショップで格安のSDメモリを物色していた。

 と、店内で怪しい物を発見。

 

 IDE to SD アダプタ 2,880円

 PC の IDE ポートに接続すると、HDDドライブの代わりにSDメモリカードが使えるというもの。

 通称「虎」 こりゃぁ正月から縁起が良いや(笑

 4GBのSDメモリカードと一緒に買って帰る。

 

 バンドレコーディング用に VS−840EX を購入するも、メディアが高くて便が悪かった。

 ZIP250 が入手困難な現在、CFに改造してVSシリーズを使っているユーザーがいるらしい。

 今じゃSDメモリは1GB 5百円程度。このアダプタが使えればCFよりコストパフォーマンスは高い。

 なぜか手元にはVS−840EXが二台ある(笑

 実験には手頃でしょう。

 

 以下に無計画に進めた改装記録を記す。

 

 

◆設計・製作

 今回のクランケ ROLAND VS−840EX

 

 ・同時録音4ch

 ・録音時間31分(4ch標準音質モード)

 ・ボコーダー内臓!

 専用のブリーフケースも持ち運びに丁度良かったが、メディアが問題だった。

 

 メディア

 

 ZIP250 

 以前は秋葉原のメディアショップで一枚700円で買えた。2009年9月には1,200円に値上がりしていた。

 足元を見やがって・・・もう買わなくて済むはず。

 

 早速本体を分解する。

 裏板を固定している大小のねじ13本を外す。

 

 喜び勇んで、ZIPドライブまで外してしまう。(笑

 

 ドライブに繋がっているケーブル

 

 電源は3.5インチドライブ用のコネクタと同じだが DC5V単一仕様。

 I/Fケーブルは40ピン。

 

 PCに使われている IDE用の40ピンと同じかと思いきや20ピンのキーが無い。

 

 ピンが全部立っている。余り物の40ピンハーネスを使おうと思ったら、どっこいしょ。

 本当にIDE規格か?と、先が不安になってくる。

 しかしZIPドライブの印字を見て少しほっとする。

 

 MODEL:Z250ATAPI

 ATAPIだったらほとんどIDEと変らない筈(笑

 

 IDE−SD変換アダプタ。「虎」

 

 っとー いきなり設計不良を発見。

 

 固定用のネジ穴部分に電源コネクタが被っている。

 

 設計者殿。もっとよく考えてアートワークして下さい。

 

 しかし、銅箔パターンから察すると+12Vは浮いていて4番ピンは使っていない。

 VS側からの電源ケーブルは5V単一しか供給していないので、まずは第一関門突破。

 

 どの辺りにアダプタを装着するか設計中。もちろん現物合わせ。

 

 この辺りに決定。

 

 この位置だとケーブルが届かない。

 PCパーツの宝箱を漁っていると20ピン部分のキー無しハーネスを発見。

   

 探せばあるもんだ。で、長すぎるのでカットする。

 ・・・長いまま置いておけばケースの外まで延長も可能だった。と、後悔。

 

 次は電源ハーネスの製作。これも以前に自作PCで活躍したハーネスを改造して使用する。

   

 HDDの電源を分岐するハーネスと電源スイッチ用のハーネス。

 

 中継側のレセプタクルを分解する。

   

 汚い手半田。とりあえずピンだけ抜いてヘッダーコネクタのハーネスと半田付け。

 

 電源ケーブル完成。

 

 ピンヘッダーコネクターなんて捨てずに置いていて良かった。

 

 次はケース加工。

 ZIPドライブのマウント用フレームに適当に位置決めする。

   

 この辺りに決定。適当に赤ペンで穴位置をマーキング。

 

 

 ドリルの位置がずれない用にポンチを打つ。 

 

 Φ3.2mmで穴あけ。

 

 微妙にずれた(笑)  まぁ誤差範囲。

 

 ボコーダー製作時に多めに買っていた10mmスペーサー。

 

 これで変換基板を浮かしてケーシングに固定する。

 しかし、悲しいかな3個しか見つからず。まあよしとする(笑

 

 スペーサーを仮固定して−

   

 

 基板固定。

 

 三点固定でも問題なし。2箇所でもいいぐらい。

 

 ハーネスを接続してみる。

   

 上出来。電源コネクタもネジを上手く避けている。

 

 VS本体に4箇所のネジでマウント。ハーネスを接続。

   

 I/Fケーブルが反転しているが、少々長かったおかげで上手くひっくり返った。

 

 裏蓋を閉めれば完成・・・

 

 であるはずが、上手く閉まらない。

 

 変換基板を固定したネジがケーシングに当たっている。

 更に金属加工が必要。

 ZIPドライブが固定されていたネジを逃がす長穴の如く、大き目の逃がし穴を開ける。

 

 寸法出し。

 

 ずれると洒落にならない。正確に。

 

 大きな穴加工は大変なのでとりあえずΦ7mm。

 

 微妙にずれたか?

 

 本体あわせ!

   

 外したネジを止めて完成。 良い感じ。

 

 完成!

 

 なんと!本体とツライチ。あとは動作確認。

 

 

◆試運転と検証

 いきなり SDHC 4GB を試すのもなんなので、とりあえず1GBを挿入して電源ON!

 

 ・・・真っ白?

 

 

 っと、しばらくして初期画面登場!

 

 更にしばらくしてディスクのイニシャライズ要求画面になる。

   

 すかさずYES! するとまた確認ボタンを要求。もう一度YES!

 

 

 多分、メモリをフォーマット中。

 

 しばらく経過後! 

 

 成功。なんと!1ch MT2モードで502分。

 

 4chモードに設定を変更してみる。

 

 125分!ということは1GBとして認識している。

 

 この後色々と試した結果−

 ・SD 2GB と SDHC 4GB を試してみるが、どちらも1GBと認識。

 ・64MBを入れてみると 7分 (4ch MT2 モード) 

 ・物理フォーマットをかけようとするとフリーズする。←これは当然といえば当然。

 ・電源が入っている時にはメモリを抜くとフリーズする。

 ・電源を切る時には、一旦NEW SONGを選択してダミーのSONGをセットするフリをして、それまでの設定・録音データをストアしてから電源を切る。

 

 録音テスト中の姿

 

 メモリアクセス中の青+赤LEDが素敵。完成。

 

◆あとがき

 ○3.5インチベイのべゼル付きの改装アダプタがあると金属加工も不要。NETで物色してみようか(笑

 ○記録されたデータをWAVに変換するソフトを海外サイトで発見。変換されたWAVデータをDAWソフトで編集する事も可能になった。

 ○VSシリーズだけでなくZIP絶版の影響を受けた機種にも応用できそう。

 ○840EXは某オークションの取引価格が下がっている。今のうちに漁ってみるか。

 

 

 

 

 

                                                      おしまい