8ステップシーケンサーの製作 

                              2010年2月25日 by ごきち

◆序章

 つい先日、ブレッドボードを使って寄せ集めの TTL−IC でインバータのおもちゃを組んだ。

 ブレッドボードって意外と簡単に組めるもんやなぁと。

 ふと、昔々にタイマーIC 555 を2個使っていろんな音を出して遊んでいた事を思い出した。

 その頃は流行ってたかどうか知らないが、今で言う TB−303 ばりのレゾナンスの効いたピキュピキュした音を出して満足していた。

 

 1LFO + 1VCO の簡単な構成でそんな気持ちのいい音が出せたのか?

 25年前の記憶を頼りに、更に8ステップのシーケンサーも追加して遊んでみた。

 

 

◆設計&製作

 LFOは前回のインバータ実験で組んだものがあったので同様の回路のまま。

 

 OUTPUT端子からボリュームを通して充放電する回路だと、デューティー比が変らず結構な範囲で周波数が可変できる。

 

 バイナリ UP/DOWN カウンタ 74191

 

 4ビットカウンタなので最終的には16ステップまで拡張可能!(笑

 

 デシマルデコーダー 7445

 

 オープンコレクタ タイプなのでシーケンサーにぴったり。

 

 ポイント表示回路 と 音階発生回路

 

 バンドメンバーの 某いかさん から大量に頂いた半固定抵抗が大活躍!謝謝。

 マトリクス用のダイオードは20年前にボコーダー製作用に買っていた今は貴重な1S1588。

 

 要のVCOは 555 が二個入った NE556 

 

 結局片方しか使用せず。

 

 半田付けの手間が要らないからどんどん回路が変る。

 当然、回路図なんか書けない。もうわけわかめ。

 いろいろ信号を混ぜてみては音を出してみる。

 アナログシンセのパッチワークと同じ感じ。

 リード線でほいほい繋げてボリュームかまして合成する。

 その度にどんどん音も変る(笑

 

 全体像

 

 25年前に半田付けで製作した回路より複雑になった。

 今回、新たに購入した部品が無くて組める所がジャンクで一杯の証(笑

 

 前回のインバータの完成と同じく動画で報告する

 

 tiny303  

 

 グルーヴしてるつもり(必死

 

 

◆あとがき

 ○それ風の音の再現が出来た。ついでにリングモジュレターも追加すれば良かったか。

 ○当時高校生の頃、CB無線に嵌っていて、鳴り物やマイク物を組んでいた事を思い出した。

 ○当時、CB無線用に音声反転秘話装置を製作していたがその頃の試作ボードがどこかにあったはず。発掘しなければ。

 ○回路図描画のフリーソフトにチャレンジしたが失敗に終わった。回路は常に規格表と頭の中にある。(笑

 ○折角の機材が活かせるように音楽的センスをもっと磨かないと(笑

 

 

                                                      おしまい

 

◆2010年3月2日追記

 一応ピコピコ音が出るようにはなった。

 ただ、本家のようなテンポのいい打ち込みが出来ないのが玉に瑕。

 8ステップじゃ演奏の腕やセンスが無くてもそれなりのリズムは奏でられても、それ以上のことが出来ないんだろう。 

 更には、555 の VCO 入力では2オクターブそこそこしか音域が変えられない。

 

 秋月でもう一セットブレッドボードとストック用のパーツを買ってきたので、ちょっとバージョンアップしてみる。

 

◆設計&製作

 netで検索していると C−MOS インバータ 構成の VCO 回路を発見。

 トランジスタ、コンデンサ、抵抗値等、多少アレンジしてみた。

 

 

 私の手持ちのIC群には C−MOS が希少なので更に TTL にアレンジしてみる。

 発振回路部分の殆どの抵抗値を1/10、1/100の値にして更にコンデンサの容量を100倍にしてみる。

 

 一応発振はするものの、殆ど周波数が変らない。やはり数mAの電流変化では周波数可変は難しい様子。

 

 仕方が無いので、ジャンク箱をひっくり返し捜索。

 ここで運良く(悪く?) MC14049UB を発見する。

 

 確か、C−MOSのインバータだった筈。

 オリジナルの回路には 4069 が使われていたが、まぁ、同じようなもんでしょう。

 

 規格表で確認すると・・・

 まぁなんて事でしょう!

 入力保護用のダイオードが一本無いぐらいにしか思っていなかったら大間違い!

 ピン数は違うわ電源端子は違うわ。入出力の向きまで反対。

 

 TTL でも例外はあった。 7402 みたくゲートの向きが逆なのや、電源が変な位置にある物はあった。

 7490 や 7473、7475 あたり 「ちょいとロジック回路を弄ってみようか〜御用達 TTL 」 の電源端子の位置には泣かされた。

 しかも電源とGNDの位置がずれてるだけじゃなく、プラスマイナスがイメージと逆だから性質が悪かった。

 まぁ、それは置いておいて。14049で組んでみる。

 

 電圧加算回路と中間電位生成回路

 

 レイアウトがいまいちイメージ通りにいかず、ジャンパーが多い。もっとブレッドボードに慣れなくては。

 

 要の VCO 回路

 

 すげー! 超低周波(約4Hz)から可視聴域限界まで可変可能。

 

◆VCOを検証

 c-mos osc

 素晴らしい可変範囲。しかもノコギリ波。

 オリジナルは9Vで動作する OCT/V 回路だが、シンセを作るわけじゃないから5Vでも十分。

 タイマーIC 555 VCO なんて目じゃない。

 早速、前に組んだ回路を取っ払い組み立て直す。

 

 テンポ用LFO 555

 

 基本回路は変えず。ちょっと端っこに追いやられる。

 

 左からデシマル変換<下位>7445、カウンタ 74191、デシマル変換<上位>7445、 波形整形 74132

 

 7445 二個使いでは、 74159 のスリム24PINには真似が出来ない80mA駆動が可能!

 

 表示回路と電圧可変回路

 

 秋月で300円/100個入りの赤LEDを買っていて助かった。

 

 C−MOS VCO回路 と 周辺回路

 

 ここで回路チェックを怠った。電源を逆接続したため 14049 を 一個 飛ばす。

 貴重な手持ち C−MOS ロジック をオシャカに。

 

 全体像 

 

 相変わらず全体回路図は規格表と頭の中に描いたまま。

 

 で、早速演奏してみる。

 

 ・・・が、・・・ん?、あれ?あれぇ?

 

 16ステップにしたところで、私のセンスでは・・・先の8ステップと同じ間打ちしか出来ない。

 折角の16ステップなのに、気持ち良くない。

 それとも3連符が打てないと意味が無かったのか?

 16ステップになると発音時間が短すぎて聞こえも悪い。

 

 次は、手持ちの RAM と D−Aコンバータでも使ってディスクリートの打ち込みシーケンサーでも作ってみるかな。

 

 

 

                                                    おしまい