PCスピーカーの製作

                              2004年10月11日 by ごきち

◆序章

 先日、家内の買い物に付き合ってデパートに行った際、時間待ちにと入ったLaoxで小型のアンプ付きPCスピーカーを買った。別にコレといって必要でもなかったが、スピーカー本体にヘッドフォンジャックが付いていて使いやすそうに見えたのと、まぁ1000円ぐらいだったら、と即購入。衝動買いである。

ELECOM MS−70SV ¥1、000円

 コレがどうしようもない音質。コワンコワンした、中音域だけしか出ない。梱包箱には「音声、ビデオチャットにどうぞ」と書いてある。また、「実用最大出力3W。小型ながらパンチのあるサウンドです。」とも。

 記載の通り、これでCDを聞くとかなりパンチが効きます。嘘、偽りはありません。先のコピーを考えたELECOMさん。流石やね。憎めませんわ。

 当然、音質改善に改造を試みる。

 吸音用にタオルを詰め込んでみる。TEACの同じく激安PCスピーカーはコレで改善された。が、こいつは改善の兆候すらなし。

 まぁ肝心のユニットがこれではどうしようもないか。

 センターコーンが怪しい中音域を強調しているように思われる。

 筐体のプラスチックの薄さも手伝って、異様にブーストされる中音。

 試しに2年寝かせる予定のFE87Eの装着してみる。

 寸法ばっちり。ビス位置まで一致。コレが鳴るかと思うとわくわくする。

 んー 惜しい。フレームの返りが微妙にケーシングに当る。必殺ハンドニブラーでそぎ落とそうかとも思ったが、防磁ケースも出っ張ってケーシングと当っている。アンプ内臓の右chは入る余地なし。残念。

 ただ、本体にヘッドフォンジャックがあるのはかなり便利。最近はまっているyahooの音声チャットには重宝している。

 部屋を物色しているとSOTECのPCに付属していたアンプ無しのスピーカーを発見。確か、こいつもかなりの中音屋さん。捨てるつもりで分解してみると以外に良さそうなユニットが入っていた。

 センターコーンを「すぅっ」と撫でてみると「ほわぁ」と低域の固有振動を感じる。

 このユニットを適当な箱に入れて、ELECOMのアンプで駆動すればそこそこの音が期待できるんではないか。

 とりあえず今回は、SOTECユニットを使ってPCスピーカーを作ることにした。

 

◆設計&材料

 6mm合板のボンド組みも考えたが、とりあえず100円ショップへ。箱物コーナーをうろついていると簡単にエンクロージャに化けそうな箱物を発見。3種類調達してくる。

 透明のプラケース。コレクションボックス2種類と透明タッパー。

 小型スピーカーのユニット穴加工用に自在キリもあるので適当にユニットを詰め込んでみる。

 

◆製作

 まずはコレクションケース。

  

  底板が薄そうだが、とりあえず組んでみる。

 ユニットの開口部が46mm。そこから端まで3mmしかない。そこでユニットの固定は裏面からの押し当てとする。プラケースの加工面がモロに見えるが、仕方ない。

 まずは要のSP開口部。3mmキリで一発開けておく。

 自在きりの芯径が6mmなので同じ径まで広げておく。

 自在キリ。以前に刃をつけて研ぎ直しているのでプラ加工にも使える。

 23mmに調整。切っている途中で広がらないことを祈る。

 電動ドリルに装着してブレが無いように。

 とりあえず一周。あとは気合と集中。

 気合が足らなかった。どうも貫通するかしないかが一番危ないようで、ガツンといってしまった。

 箱の底と開口部ではプラスチックの厚みが微妙に違うらしい。開口部が残ってしまったが、ペンチとカッターナイフで修正。精神的ショックが大きくこの後写真なんか撮り忘れる。いつもの事。

 ユニット固定用穴に適当に4.5mmを開けて装着。ケーブルの通し穴を開け、一気に完成。

 初めてのプラ板加工にしてはまずまず。これで音が良ければ言うことなし。

 底板はボンド付けになるのでとりあえず手で押さえてみて鳴らしてみることにする。

 コワンコワンスピーカーのヘッドホンジャックにプラグを繋げて音を入れて。

 ・・・ヘッドフォンジャックの出力には4Ωは辛いか?ボリュームを最大にしても全然音が鳴らない。

 試しに別のPC、P2B機のSPジャックに差し込んで、適当にCDをかけてみる。元気に鳴った。

 中高域のみのシャンシャンした音。多分サウンドカードの特有のシャリシャリ音から低音を引いたような感じ。中にタオルを巻いて入れてみると、少しまろやかになる。

 ケースの底板との気密が保たれていないので防音材は効く。最終的には背面にターミナルを付けて、底板を接着すれば良いが、とりあえず方向は見えた。

 ELECOMのヘッドフォン出力のアッテネーターを取っ掃えば良い。

 折角だから別のケースでも試してみることにした。

 この赤字が無ければ良さ気なのに。とりあえずこれにも装着加工。

 適当な位置にケガく。

 ユニット穴の中心を3mm → 6mmと順に大きく開ける。

 じっくり少しづつ切っていく。焦るとパキッといってしまう。経験済み。

 完璧。内側にバリが出ているので適当にペーパーをかけておく。

 ユニット固定穴の位置決めは現合。

 4.5mm x 4箇所。

 ここまで来ると写真なんか撮っていられない。完成に直行。

 鳴らしてみて。はっきり言って、タッパの蓋のへナヘナの音がする。

 コードの通し穴からの空気漏れが影響しているようにも思えたが筐体自体の「鳴り」もある。

 毎度のタオル詰めで鳴らしてみるも、共振音が小さくならない。

 気が向いたら両ch共最初のコレクションケースで作り直してみることにする。

 

◆あとがき

 2種類のケースを試してみて。SOTECのヘナチョコスピーカーとは雲泥の差の音がする。タッパはプラスチック特有の共振はあるものの、容量を増やすことでかなり音が変わることが分った。

 何れにしてもこのユニットの性能はPCスピーカーとしては良い特性だろう。透明ケースのビジュアルもいいが、音質的には木製か。近いうちに6mm合板BOXにも挑戦するか。

 

 

                                           つづく