ピザ釜の製作

 2022年6月18日 by ごきち

 


◆序章

 「庭にピザ釜を作ってピザを食ってみたい。」

 

 一年越しの夢を実行したのでここに記す。

 

 

◆設計&製作 → 購入&強化改造記録

 自宅の庭で年に二回程、友人を呼んでBBQをやっている。

 家族でも年に二回はやってるかな。

 で、折角の庭なんだからピザ釜を作って焼けたら美味い&面白いんじゃないかなぁと。

 

 庭のバリケード&ウッドフェンスが綺麗に仕上がった。

 

 固定もしくは移動式のピザ釜を作りたい衝動に駆られ、もう、どうにも。

 

 コロナ需要なのか、DIYピザ釜製作記事もちらほら見かける。

 耐火煉瓦積み釜

 耐火セメントを使った本格的な断熱層入りドーム型釜

 中には段ボールにアルミ箔を内側に巻きつけただけの火災延焼危険釜なんかも(笑

 段ボール釜は論外だが、煉瓦積みやセメント釜は費用もばかにならない。 

 

 飽きた時、廃棄するにも煉瓦は処分に困るだろう。

 

 Amazon でピザ釜を検索していて二つ良さ気な物を見つけた。

 陶器製の蓄熱型ピザ釜とステンレス製の反射型ピザ釜。

   

 陶器製が15,300円、ステンレス製が4,600円

 

 陶器の方は、水を含むと崩れ落ちる評が。・・・焼いてないのね。

 ステンレスの方は調理温度は300℃以下で使用して下さい。それ以上になると本体の消耗が早くなります、と。

 

 取り敢えず4,600円だったら試しに買ってみても良いか。「それ以上の温度」で消耗しないように強化改造するのも面白そうだし。

 

 ポチっと到着

   

 尾上製作所 コンパクトピザオーブン ON−1781

 ピザストーンとピールが付いてこの値段だったらOKでしょ。

 

 ただ、こいつはBBQコンロの上に乗せて調理するタイプ。別途コンロが必要だ。

 同社からぴったりサイズのステンレス製BBQコンロが3,980円で販売されているが、今回は買わず。

 最近使ってないBBQコンロがある。

   

 キャプテンスタッグ ボニート 430 15年前、特価で1,000円だった。

 つい最近まで現役だった組み立て式。

 最近はステンレス製の折り畳み式を使うようになって眠っていた物。

 

 載せてみる

   

 ジャストサイズ。ただ、このままでは滑り落ちてしまうのでストッパーを付けないと使えない。

 

 届いたピザオーブンを分析すると・・・

 ステンレス素材が薄っペラい。

 角は曲げ+スポット溶接だけど異様にグネる。

 コワンコワンだ。

   

 裏面の4か所にスポット溶接があればもっと安定するのに。

 

 恐らく「300℃以上・・・」での消耗ウンたらは、熱膨張で変形→スポット剥離→空中分解

 なのかもしれない。

 

 そこで、本体の強化改造を行う。

 

 思い浮かぶのは、アーク溶接とネジ止め。

 ただ、私の溶接の腕では穴を開けてしまうのが目に見えている。

 上手く溶接出来たとしても、歪を取って固定するのは至難の業だろう。

 逆にねじ止めの方が、SUSの六角穴付きネジ+スプリングワッシャ+ナットでしっかり止めれば固定もできるし歪取りが楽だろう。

 

【改造1】

 たわみ防止兼、BBQコンロとの滑り防止

 

 4コーナーに M4x10mm 六角穴付きSUSボルトでがっちり固定する。

 

 Φ4.3mm穴を開け、裏にスプリングワッシャ、ナットを入れて固定する

   

 裏側に7mmのソケットレンチを入れてがっちり止める。

 

 BBQコンロ側には追加したボルト頭の位置には8mm穴を開けてずれを防止する。

 乗せて位置を合わせて 4.3mm → 5mm → 8mm と順に開ける

   

 

 これを4か所分加工する

 

【改造2】

 オーブン全体の接合強化

 

 スポット溶接外れ対策に M5x10mm 六角穴付きSUSボルトで固定する為に

 Φ3.2mm → Φ5.3mm のキリを使って順に穴開け、スプリングワッシャ+ナットで固定する

   

 なべネジにすれば良かったか。突起がフランケンシュタイン状態だ(笑

 いつもの如く、夢中になると写真を撮り忘れる。穴開けや固定の写真が無い。

 

 一番弱そうで分解しそうな扉の蝶番部分とガラス窓部分のスポット溶接も同様に補強する。

   

 

 

 完成!

 

 

 

◆試し焼き

 このステンレスは磁石に付くタイプ。

 ドリルで穴を開けた時に出る切粉が至る所に付着している。

 折角なので空焼きして熱で磁石を飛ばして切粉も落とす。

 軽くオガ備長炭で釜の温度の上がり方も見ておく。

 

 特製炭お越しで鋳こす

   

 消し炭を使って下からバーナーで炙ったあと20分程放置で赤熱する優れモノ。オガ備長炭を使う時は欠かせない。

 

 炭が鋳こったらピザストーンを囲むように炭を配置する個数を変えて温度の上がり方を調べておく。

 ピザストーンの割れ防止にアルミ箔を巻いて温度上昇を見る。(外気温度25度)

 

 

◇ 1.5本x2 → 120℃迄しか上がらず

   

 

 

◇炭を追加(倍相当) → 200℃<安定>

   

 

◇更に追加 → 220℃<安定>

   

 

 扉を開閉しても、言うほど温度は下がらないが、300℃以上に加熱、分解など程遠い?

 それにしても、結構な炭を使って220℃とは。

 

 これだけの炭があれば、余裕で二回分のBBQが出来る。

 これ以上の炭は無駄だろう。

 

 実験と言いながら220℃のオーブンが出来上がってしまった。 

 空焼きのつもりだったが、急遽冷蔵ピザと追いチーズを買ってきて焼いてみる。

   

 5分程で焼き上がり。

 

 使えるピザ釜が完成した。

 

 強度もばっちりだ。

 

 

◆あとがき

○一年越しの夢だった(改装しただけの)ピザ釜が完成した。30分もあれば余裕で炭起こし、温度準備も整うだろう。

○3枚、20分焼くために BBQ 2コンロ分の炭を使った。炭の使用量が半端ない。ま、消し炭は出るんだけれども。

○妻と合計3枚の追いチーズ冷蔵ピザを焼いて食ってみて。美味い。市販のピザが追いチーズ&このピザ釜で最高に美味くなる。

○肉を食うのが目的のBBQでサブメニューにピザはどうなんだろ?やっぱ肉にはご飯 OR おにぎり と思うのは俺だけかな?

○BBQとの同時開催は、相手に任せるかな。

○市販のピザオーブン(4,600円)、追加ネジ類(約2,000円)、15年前に買ったBBQコンロ(1,000円)で夢から覚めた(笑

○本格的なピザ釜を作らなくて良かった。生地からピザを作るとしてもこれで十分だ。

○暑くなる前に生(笑)ピザパーティーでもやってみるか?折角炭を鋳こすんだったら肉BBQの方が・・・と思うのは俺だけかな(笑

 

 

おわり

 

◆ピザ専用コンロを新調<2022年12月3日追記>

 15年前のBBQコンロを改造してピザ釜専用にした。

 薄型で台形のコンロは少量の炭で家族4人でBBQが出来るので重宝していた。

   

 しかしこのコンロ、組み立てるにも、収納するにも+ドライバーが必要で、そこそこ手間がかかる。

 結構な量の炭を投入しても 220℃ 迄しか上がらない。

 左右の隙間から熱が逃げるのかも。

 折角ねじ強化して 300℃ 超にも(多分)耐えられるだろうに。

 

 丁度 Amazonのブラックフライデー で ピザ釜のメーカーからぴったりサイズのBBQコンロが目に留まったのでポチッた。

 ONOE CR−S−ST

 

 3,174円也 ぴったりサイズならもっと温度は上がってくれるだろう。

 

 ただ、ピザオーブンの下部にネジを追加改装しているのでそのままではジャストフィットしない。

 ピザオーブンのねじ頭を逃がすように、4ヶ所をえぐる。 

   

 電動ドライバーの先にやすりを付けて削り取った。

 CR−S−ST はピザオーブンを乗せる時にはアタッチメントを装着しないといけないが、これで不要だ。

 

 ジャストフィット

 

 火が遠いので 300 x 300 コンロ用の折り畳みSUS網を適当に切断してロストルに改造して装着

 

 いざ試し焼き。何℃まで上がるか?外気温度12℃

 

 両脇にオガ備長炭を5本づつ

   

 おー!5分後には 200℃ に。

 

 両脇に8本づつ

   

 5分後には 230℃ に。

 10分後には 250℃ で安定する。

 

 ・・・300℃なんてとんでもない。

 

 悩んでいた所にご近所様からアドバイスを頂いた。

 生ピザはオーブンで「250℃で5分」なんだそうな。

 

 生ピッツァ焼いてみるか笑

 速攻でピザ用チーズとソース用のパスタソースを調達していきなりピッツァを開始する。

 

 【簡単・即興・適当 ごっきーピッツァ レシピ】

 <生地>

 薄力粉 50g

 強力粉 50g

 塩  ぱっぱっぱー位

 水  適当

 

 <ピザソース>

 100円位のCOOPパスタソース 1袋

 にんにく 1片

 

 <具>

 玉ねぎ 少々

 白ネギ 少々

 

 ピザソース

 

 あ、オリーブオイルでにんにくを炒めるのを忘れた。・・・多分パスタソースに入ってるだろう。

 けど、にんにくが生だ笑

 

 生地を30gづつに分けて適当に伸ばした上にソースをかけて玉ねぎと白葱を散らす

   

 ハムやピーマンくらい欲しかったな。無計画万歳!

 

 いざ釜に投入!

 

 

 3分後

 

 やっべ、焦げてきた。

 

 4分で取り出してみた

 

 おー 裏はチョイ焦げ。いい感じだ。

 

 さてお味は?と言うと・・・初めてにしては良いんじゃないか?

 小麦粉の風味が良く分かる塩加減。砂糖も入れると良いのかな?

 熱すぎて顎の裏を火傷してから味が分からなくなる。

 焼き上げ後のオリーブオイルを忘れる。

 ちょっと分厚い部分はカリッカリ。いや、カッチカチ。

 ピザソースをかけてから直ぐに焼かないとコテにくっつき易くなる。

 マヨネーズも有りだな。

 

 ・・・反省点はたくさんあるが、焼いては食べ、食べながら焼いてを30分程楽しんだ。

 

 次回は生地レシピをきちんと調べてから焼こう。笑

 

 

 

おわり