HD16CD用ハードケースの製作

                              2012年6月17日 by ごきち

 

◆序章

 ZOOM HD16CD

 

 バンドで使用するMTR機材である。

 活躍して4年。

 先日、バンド練習に持ち込んだ時にセレクトスイッチを壊してしまう。

 

 2度目である。

 元凶はHD16専用のソフトケース

 

 高かった割にはガードが弱い。

 ポケット部分にACアダプターを入れて持ち歩くが、何かの拍子にセレクトスイッチを強く押し付けたらしい。

 機材が増えた今、他の機材と一緒に運んでいるとどうしても当たることがある。

 

 そこで、もう壊さないようにとハードケースを製作したので記録する。

 

◆設計&製作

 まずもってメーカーから専用ハードケースのオプションが無い。

 また、ミキサー等よくある機材メーカーから専用の緩衝材付きケースも販売されていない。

 

 そこで本体の寸法を参考にハードケースを物色する。

 

 通販ショップの評価レビューを見ると 1 の ARIA に収納している書き込みがあった。

 軽くて使い勝手は良さそう。

 ただ、元がエフェクターケースなのでクッションなど緩衝材は自分であてがわないとダメ。

 更には耐久性も??

 2 の ROADREADY は、高価な分、内部のクッションも標準装備。

 HD16CD のハードディスクをしっかりガードしてくれそう。

 ただ、すんげー大きいし、重い。

 

 そこで 同じ ROADREADY のシリーズで、一回り小さいものを調べてみる。

 RRLUC − 奥行きの 312 は明らか本体より小さい。

 ただ、ショップの画像や図面を見ると、緩衝材の「押さえ」が出っ張っているように見える。

 そこで、一か八か 3 のケースを購入して改装を試みることにした。

 

 

 流石、機材メーカー。作りがしっかりしている。

 

 早速、開けて MTR をあてがってみる。

   

 当然だけど、入らない。

 

   

 手前、奥ともに5mm程 被っている。

 

 蓋側に注目

 

 ぴったり。いや、余裕もある。

 

 切り欠き部分で怪我をしないようにエッジにゴムが巻いてある。

   

 製造されて時間が経っていないらしく、接着剤が半乾き。

 おかげですんなりとゴムのエッジ当てを外すことが出来た。

 

 このフランジは補強と、緩衝材の押さえが目的だろう。

 

 当初の目論見の通り、このフランジ部分の切断を試みる。

 

 まずハンドル側

   

 アルミの粉が緩衝材に入り込まないように養生する。

 

 主要工具は アクリルカッター と ハンドニブラ

   

 これでアルミ加工はお手の物。

 

 手前のハンドル側

 

 本体の歪みを防止するべく5mmだけ残すようにしてフランジ部分を落とす。

 

 蝶番側

   

 アクリルカッターで3回程、深く傷をつけて折り曲げると取れる。

 両サイドのフランジは補強としてそのままにしておく。

 

 中のフォームを機材と同じ寸法に切り抜く。

 

 軽く切込みが入っているので面白いように形作りが出来る。

 

 機材を入れてみる

 

 機材側のビスが当たる部分の5mm残し部分も落とす。

 

 ACアダプターの収納スペースを作る

 

 アダプタの本体部分が少し出っ張るが問題なし。

 

 完成!

 

 ぴったり収納!

 

 バンドで使用中の図

 

 ケースを台替わりに。満足!

 

 

◆あとがき

 ○1度使ってみて。スタジオで出し入れの際、ハンドル側に5mm残した補強フランジが邪魔だったので全て落とした。スムーズに出し入れが出来て良くなった。強度も申し分なし。

 ○これで搬入中にボタンを折ることは無くなっただろう。

 ○機材の前面にはウレタンフォームが無い。また、後ろ側には10mmのウレタンフォームはあるけれど、フォンジャックとケーブルキャッチがスポンジに直接当たっている。早速、台車で運んでいてケースごと高さ60センチから床に落とした。サイド方向に本体が少しずれていただけで影響は無かったが、長距離の搬送や手荒な取り扱い注意が要りそうだ。

 

 

 

 

                                                    おわり