2004年8月11日 by ごきち
◆序章
久しぶりにスピーカークラフトを楽しみCDを聴く機会が増えた。息子に一度はセンターコーンを凹まされたけれども針とキーピングで(多分)元の音を取り戻したFE87Eも順調にエージングが進み、夜に子供が寝静まってからもチョコチョコ鳴らしてみるようになった。
エージング、慣らし運転、とはよい響きだが表現を変えると経年変化でどこらかしかが劣化してるんでしょう。しかし、この経年変化で音が好くなるという体験から
「今まで気に入ってなくてほったらかしにしていたユニットも、もしかしたら目の覚めるような音に変わっているかも?」
と、しばらく聴いていなかったユニットを鳴らせてみた。
買った当時は「紙っぽい音」過ぎて目覚まし用にしか使っていなかったユニット。最近はアンプにすら繋げていないかった。
3年ほったらかしていたユニット↓
FE127+BOSE101エンクロージャ
FE87E美結スペシャルと比べて音圧レベルもそこそこあるし高音に少し紙っぽいシャリシャリ音は残っているが、これに低音が加われば、結構楽しめるのではないかな、と。
3年眠らせると音色が変わって聴こえる。ユニット側の変化か?それとも聞き手側の変化か?
何にせよ、もう少し大きな箱に入れて聴いてみたくなった。FE127を狭い101エンクロージャから外してゆったりと鳴らせるエンクロージャの製作を計画する。
前回、失望したFE87E<made in china>も寝かしたまま。さて 無事に完成までたどり着くことができるか?
◆FE127+BOSE101エンクロージャ の経歴
17〜8年程前にバイト先で頂いてきた BOSEforNEC101のエンクロージャに当初FF125Nを入れて枕元スピーカーとして使っていた。101イコライザーは付いていなかったのでそれなりの中高音しか鳴らない。容量は2.5L程度でバスレフダクトの共振周波数は70Hz前後か。
3年程前に久々に聴いてみたところ コワンコワンと箱の共鳴。グリルを外して唖然。ロールエッジが溶けて無くなっていた。
FF125Nエッジレスユニット↓
発泡ウレタンエッジが流行った頃は経年変化まで考えていなかった。
正確にはいつごろ粉砕したかは不明。枕元で布団と一緒に転がっていた環境が長かったのでお世辞にも綺麗とは言えない。けれどエッジを貼り直すとか、いろいろと弄れそうなので一応保管してある。
代わりに買ってきたのが ALTECの(当時はElectro Voice)205−8A (写真左)と FE127 (写真右)だった。
まず最初に205−8Aを購入。音圧はそこそこあるがスペックは全く不明のまま。
とりあえず101ボックスに装着。
試聴しての感想。
「これ、フルレンジ?スコーカーやんけ。」
舶来製を何か試してみたい一心で買ったユニットは値段それなりの音。
しかし、アンプ側で低域、高域を限りなくブーストすると中音域が滑らかに聴こえる。歪が少ないのか?しばらく聴いていたが、物足りない。しかも、かなりの磁界荒らし。隣のTVが青くなる。
当然、PC用スピーカーにも転身できず、別ユニットを物色に再度秋葉に。
コイズミの店員さんに
1)205−8A 用にツィターを追加する。まあ手頃なFT17Hなんてどう?
2)PCスピーカーを視野に入れるのだったらFE127なんてどう?防磁だし、FFシリーズとユニットのフレーム寸法同じよ。
と二案を薦められる。
私に選択なんて言葉は無かった。二案とも採用することにした。
FT17H と FE127 の2ペアを購入してまずは ツィターの追加試聴。
クロスオーバ周波数 5kHz + アッテネータ で試聴してみたが、どうも満足のいく音には程遠い。
FE127の方は、シャカシャカした紙の高域補正が耳を突く。センターコーンの半開きがビジュアル的に干渉しているようなイメージの音色。205−8Aの滑らかな(全く出ない?)高域と比較すると、どうも「紙っぽさ」が払拭できない。
しばらくは目覚ましCD用の枕元モニターとして聴いていたが、その後放置していた。
◆FE127用エンクロージャの設計
製品を買うと一緒に付いてくる仕様書に標準エンクロージャが載っている。これを作ってハズレは無いでしょう。 が、そのまんまでは面白くないので少し弄ってみる。
標準容量6L バスレフ型 ダクト共振周波数は、約110Hz
こないだ製作したFE87E用エンクロージャと比較してみる。
ユニット |
A cm |
B cm |
C cm |
d cm |
E cm |
容量 L |
ダクト共振周波数 Hz |
FE87E |
15.2 |
15.2 |
17.2 |
3.0 |
5.5 |
4.0 |
85 |
FE127 |
12.7 |
28.5 |
17.1 |
5.0 |
5.5 |
6.1 |
110 |
FE87E美結スペシャルの箱にそままFE127換装でいい音が鳴りそうな気配。
「改造はあかんぞ、改造は。」と、自分に言い聞かせ、なんとか娘の作品に手を掛けることを我慢する。
美結SPの設計では「置く所が無い、邪魔だ」という理由で寸法を弄った。新作エンクロージャを何とか正当化せねば企画倒れになる。
そこで、普段はパソコンのCRTモニターの両脇に置ける寸法で、かつメインスピーカーの上に置いても見栄えのしそうな形を考える。
6Lという条件と、メインスピーカ、15インチモニターの寸法を参考にしながら適当に寸法を決める。
今回はt15の合板として内寸で 230 x 125 x 220 とする。
◆試作 <2004年8月13日>
大きさがイメージできないのでダンボール箱で+板厚の寸法のものを作ってみた。
microATXを一回り小さくしたような箱になった。
メインスピーカの上、15インチCRTモニターに並べて収まり具合を確認する。
どっちつかず。どちらにも全然マッチしていない。
6Lとなると、中途半端な形になる。
表面処理と、ユニットが入ることで質感が増してイメージが変わることに期待してこの寸法を採用。
◆板取り図
気を取り直して板取り図をひょこひょこ書いてみる。
素人なりにカット順まで考えてみた。
やばい。更にお腹いっぱいになってきた。作ってもないのにその気になってきた。
この症状が悪化すると、手をつけずに終わりそう。
私は思いつくとすぐ行動に移さないと気がすまない性格。無理をしていろいろ計画を練ると反対に企画倒れになることがあった。が、この計画がそうならないよう、気を長く持って完成させたいと思う。
つづく