【エアコン据付工事2】 2015/5/30 DIY
◆序章
2階リビングのエアコン
DAIKIN AR28CDSK−W 2002年製
P板交換で復活して以来、4年間がんばってくれた。
冬はガスファンヒータと併用、夏はこいつ一発でLD18畳とK3畳をなんとか賄ってくれた。
ただ、この広さにこの能力じゃ足りないはず。
正面のパネルが外れたままでも、とりあえず夏を凌げたので良しとしていた。
しかし、去年の11月頃から調子が良くない。
まず室外機の振動音が凄い。
「うぃーん」 と言うより 「ガー」。
停止中に室内機から 「カッチン」 と、接点が動くような音。
同時にリビングの照明が一瞬暗くなったり、不穏な動きを起こすことがたまに。
更に、去年と今年の電力使用量を比較すると昨年12月から5ヶ月間、平均2割程増えている。
・・・そろそろ買い替え時か?
これを機会に更新したので記録する。
◆設計
改善したい事が2点。
空調機の能力不足の克服と気流分布の改善。
まずは能力不足の改善。
我が家は2X4。壁内、天井裏にグラスウールは入っているものの、木造、和室、2階、南向き、の条件を考えると、
18畳+3畳 を 2.8kwタイプで夏を凌げたのが不思議である。
ただ、凌げたとは言っても、外気温度が35℃超の時、リモコンを最低温度に設定にして部屋の温度はせいぜい27℃になれば良いレベルだった。
欲を言うと、もっと、ばしっ と効いてほしいところ。
エアコンはインバータ機でそこそこのグレード。
最大能力は 冷房:3.3kw、暖房:5.2kw 出る仕様だとしてもちょっと少ないだろう。
本来ならば 冷房5kw タイプを選定したい。
しかし契約電力容量は増やしたくない。最大電流は押さえたい。
そこで、冷房 3.6kw タイプを選択。
コンセントの電圧変更工事が不要な仕様を選んだ。
DAIKIN S36STES−W 9万1800円 <税込み>
一番高い時に買ったようだ(泣
次に気流分布。
室内機の据付位置が考え物。
3畳キッチンばかり冷やしていた。
どうしてもキッチンばかり冷える場所だった。
扇風機2台を駆使してなんとか東側まで冷風を届ける。
それでもキッチンが一番冷えるw
改善案として、西側の出窓上部中心に配置したい。
今ある電源コンセントに届く範囲だとせいぜいこの辺り。
電源工事は自分で出来なくはないが、なるべくなら弄りたくない。
この位置でも気流分布の改善効果は大きいだろう。
据付位置の変更でネックになるのは、貫通穴位置と壁紙の後処理。
入れ替え前の機械の裏側はビス穴の痕はもちろん、貫通穴を再利用するかしないかでも工事仕様を変えなければいけない。
家のと同じ壁紙が手に入るか入らないかで据付位置が制限されてしまう。
とりあえず、古いエアコンを外してからでも遅くない。
早速撤去工事に取り掛かった。
◆古いエアコンの撤去工事
まずはポンプダウン作業。
室内機と配管の中に溜まっているフロンガスを室外機に戻すよう室外機の閉鎖弁を操作する。
○ゲージの取り付け
室外機の側面カバーを外す。
+ネジ一箇所外してカバー全体をスライドすれば外せる。
閉鎖弁の蓋2箇所とサービスポートの蓋を外す。
サービスポートは開け閉めの回転方向に注意。間違ってぱっくり割ってしまわないように。
サービスポートに、コントロールバルブ → ゲージ → 真空ポンプを接続し、ホースとゲージを真空乾燥する。
コントロールバルブを利用する。環境に優しい作業手順を励行。
真空ポンプ運転 → 黄色ホース先端バルブ開 → ゲージ青バルブ開 → ゲージ青バルブ閉 → 黄色ホース先端バルブ閉 → 黄色ホースを真空ポンプから外す → 真空ポンプ停止
○ポンプダウン
強制冷房運転開始
室内機の運転ボタンを長押し4秒で「ぴぴっ」
コントロールバルブを開ける。
突き過ぎないように。 低圧圧力 0.96MPa だと 蒸発温度は 9℃ ぐらい。
強制運転は15分で停止してしまうので、10分程運転したらポンプダウン作業に移る。
液閉鎖弁全閉
4mmの六角レンチで速攻で閉める。
低圧圧力が0Mpaになったらガス閉鎖弁全閉
しばらくしてもゲージが上がってこなければOK。
運転停止
室内機の運転ボタンを「ポン押し」で停止する。
室外機のファンが止まったらプラグを抜いておく。
このエアコンは予備に使える。極力壊さないように撤去する。
○冷媒配管、連絡線、ドレンの撤去
冷媒配管を外す。
二丁掛けで外した後は塵が入らないよう、配管とユニオンにテーピング。
室内機側のフレア接続部分も外す。
樹脂カバーを外し、フレア、ドレンホースを外す。
電線止め具を外し、速結端子の外し口を押しながらケーブルを引っ張る。
マイナスドライバーが手元に無かったのでプラスドライバーで代用した。
室内機側も速結端子から連絡線を外す
電装品箱のカバーを外して、VVFの止め具を外そうとして・・・ん?
外装被覆を固定するはずが、絶縁被覆を止めている。今まで抜けなくて良かった。
気を取り直し、室外機部分と同じ要領で引っこ抜く。
○室内機撤去
補助冷媒配管、ドレンホース、連絡電線を貫通穴の角度に合わせる。
本体は再利用できるように配管を潰さないように。
室内機本体を据付板から外し、据付板も壁から外す。
室内機の裏側部分の壁紙は真っ黒。一度壁紙を張り替えていることが分かる。
ビス穴痕からこのエアコンは二台目だったことも判明する。
○壁紙の補修
壁紙を少しちぎって近所のDIYショップを物色すること小1時間。
似た模様で色の濃さ、風合いが若干違う壁紙を10cmづつ購入して壁にあてがい、一番違和感の無いものを再度購入。
一緒に壁紙用の接着剤も購入。
障子紙を貼った時の刷毛&塩ビタッパで壁紙に糊付け。
初の壁紙補修作業。
完成画像。作業途中は必死すぎて撮る余裕なし。
段差部分は上貼りではなくカッターで両方を切り取った後、接ぎ貼るようにすれば目立たなくなることが後で知る。
ま、重ね貼りの割には、上手く出来たんではないかな。
◆新エアコンの設置工事
壁紙補修が意外に上手く出来たので当初案通り、室内機の移設を執行する。
○配管ルートを決める
配管貫通穴は既存の穴を利用する。
太陽のお陰で穴位置がくっきり。
水が流れやすいように中心から少し傾斜の線を引く
1/100 勾配だと 10cm 横引きで 1mm 誤差範疇
この水準器は上の使い方では水平がとれない事が判明。安物はダメだわ。
コンセントの位置変更は極力避けたい。
20Aをいじるのは正直、嫌だ。接触不良は大きな事故になる。
現在のコンセント位置からプラグがぎりぎり届く位置に室内機を取り付ける。
室内機本体の左側面から約800mm
コンセントの高さまで約300mmあるので余裕を見て壁から約450mm離す
100mmの余裕を見て本体左側面位置を決める。
大体のルートが決まったら順にダクト部材を固定していく。
貫通スリーブ
壁内からゴキちゃんが室内機に入ってこないように。
一旦差し込んで、長さを確認して切断する
飛び出した部分をマークして切断する。
糸鋸でぎゃぎゃっと切断
かなりの勾配。良い工事してますなー
室内側の化粧ダクト
スライド式ウォールコーナー
ボード用アンカーを使って固定する
部材を先に固定して、後から直管を現合で切り揃えるとよい。
○室内機の取り付け
配管ルートが決まったので室内機を施工する。
<ドレン変更>
左側面配管なのでドレンの取り出し位置を左に変更する
室内側のドレン工事は極力短くして結露事故を避けたい。
ドレンホースの根元にあるネジを外して付属ホースを外す
右側のドレンプラグを外す
意外と手で簡単に外せる。
プラグを抜いた所に付属ホースを取り付けてネジ止めする
簡単に外れないよう確実に止める。
ホースを外した右側にドレンプラグを装着する
4mmの六角レンチで確実に奥まで差し込む。
<ケース加工>
室内機本体の左側を加工する
ニッパーで二箇所を割り入れてペンチで引きちぎる。
<補助配管の断熱強化>
付属の断熱材を冷媒配管に巻きつける
フレア接続箇所の漏れチェックが終わるまで仮止めしておく。
<連絡配線工事>
先に室内機側を接続する
接続部分のカバーを外したところ。
外装被覆を長めに剥く
100mm程度に剥く。ケーブルストリッパーがあると便利なんだが、当然そんな高級なものは持っていない。
ナイフ剥き万歳!
外装被覆を配線止め具に合わせて差込位置から絶縁被覆を剥く
芯線は止め具のゲージに合わせ、15mmきっちりに切り揃える。
接続。必ず芯線が確認窓まで届いている事を確認する。
線の色を合わせること。
<室内機取り付け>
据付板を水平に位置決めする
7箇所マークが終わったら石膏ボード用のプラグを打つ。
壁内の間柱に狙い撃ちで木ネジを打つと地震対策になる。
たまたま二箇所、木ネジが効いた。ラッキー
据付板をネジ止めの後、本体を引っ掛ける
あら?見た目に左下がり?
<ドレン配管工事>
ドレンホースを延長する。
室内側の延長は断熱ホースを使用する。
断熱ホース用カフスと屋外側のカフス
付属ホースにビニールテープで断熱ホースを固定する。
接続の写真を撮ってなーいw
<冷媒配管工事>
面倒なので市販のフレア加工済み定尺配管を使用する
室外側は良い長さに切って使う。
室内側は液管とガス管の長さに合わせて断熱材を調節する
室内機を浮かして化粧テープを挟んでおくと作業しやすい。
配管をルート通りに整形する
なかなかの曲線。グラマーだわw
フレア面に冷凍機油を塗ってからユニオンにフレアを仮止め
ちょっとガス管の断熱が短かった。後に修正する。
トルクレンチで本締め
手締めでも自信はあるが・・・一応念のため。
二丁掛けでカチっとなるまで締め付ける
液管とガス管を接続する。
室内用化粧ダクト(ストレート)、部材を壁に固定する。
配管の形作りはほぼ完成。
○室外機据付
室外機は同じ位置とする。
屋外の配管カバーはミライ工業の良いのが付いていた。
しかし、家の塗装工事の時に末端キャップを外したままパーツを紛失。
仕方が無いので新調することにした。
<ドレン延長>
断熱ホースは高価。途中から安物ドレンホースに変換
テーピングで固定する。外れないよう、外せるように。
<配管仕上げ>
冷媒配管は室外機の近傍から個別に化粧テープを巻く
微妙に配管が長かった。あと100mm短ければ丁度か。
化粧テープは、途中から伴巻きにして化粧ダクトまで巻き上げる
ストレートカバーと末端カバーを固定して仕上げる。
室外機側のユニオンとフレアを接続する
ガス管は二丁掛けで。
ゲージ、真空ポンプを接続して真空乾燥
−0.1Mpa 到達後10分間真空ポンプを運転する。
その間に室外機側の連絡配線を接続する
やっぱりナイフ剥きw
絶縁被覆を剥いて15mmに切り揃えて接続する
φ2.0mmは手剥きに限るw
真空乾燥の後、ゲージのバルブを閉じる → 黄ホースのバルブを閉じる → 真空ポンプからホースを外す
の手順で真空ポンプを止める。
真空ポンプを外してからしばらく、ゲージの値が−0.1Mpaから上がってこないことを確認する。
液側閉鎖弁を5秒だけ90°開ける
1.3Mpa 20℃程度。
<ガス漏れチェック>
圧力がかかったのでガス漏れ検査を行う。
室内機側のフレア接続部
フレア接続部分にハケで石鹸水を塗って漏れが無いことを確認する。
同様に室外機部分も確認する。
やっと室内機の断熱強化と仕上げ工事が出来る
付属の断熱材が届かない所は撤去した配管の断熱材を適当にかまして隙間が無いようにする。
付属の断熱テープを巻いて仕上げる
結露無きよう入念に。
室内機と据付板をビス止めした後、ケーシングを取り付ける。
室内機のドレンパンに水を差し入れドレン排水確認の後、貫通部分の防水を行う
こちらも入念に。
パテ埋めが終わったらカバーをかける
カバーの大きさが小さくなったて汚く見える部分はコーキングで誤魔化す。
ポンプダウンを利用してゲージを外した後、室外機のカバーを付ける
うーん 微妙にガス管がチラ見w
室内側も樹脂カバーを取り付ける
化粧ダクトを切り欠いてコードを通して電源ON!
試運転
マイルドな冷風。
完成!
◆あとがき
○マイホームのエアコン工事として4台目。初の室内ダクト仕上げにチャレンジした。満足のいく仕上がりになった。
○HPに記録するつもりで写真を撮りながらだったが、結構撮り忘れている部分が多い事に後で気が付く。
○工事の後、仕事が忙しくなりHPに仕上げることが出来ず。10ヶ月以上たってやっと記録とすることが出来た。
○冷房、暖房と1サイクル使用して。冷房はもとより暖房は以前より良く効くのかエアコンのみで冬を越せそうだ。
おわり